鉄のラインバレル 最終話「鋼鉄の華」

こんなにも使い古された設定ばかり使って、これだけ盛り上がれる作品に仕立て上げたスタッフには敬服する。設定を生かすも殺すも演出次第というのの良い例をまざまざと見せつけられた感じだった。
そんなこんなで、めちゃめちゃ盛り上がる最終回で楽しかった。ラインバレルに全マキナのエネルギーを集中させるって、非常によくある設定なんだけれども、きちんと手順を踏んだ演出でワクワクした。
まず第一に、ラインバレルにエネルギーを渡すのと引き替えに死んじゃうファクターのそれぞれの物語をここまでの25話かけて十分に描いてきてあるので、彼らの決意とか覚悟とかそういったものに感情移入しやすい点が良い。
次に敵に突っ込ませる前に早瀬に早瀬の正義を語らせてる場面から、森次さんがファイナルフェーズを要求する場面が上手く繋がっていて、違和感とか唐突感とかそういうったものが一切無いすごい自然な流れだった。
あとは絵とBGMが良いね。自分、元々挿入歌に戦闘シーン被せる演出大好きなんで、もうそれだけでも非常に盛り上がれた。絵の方はファクターを一人一言くらいずつ順にクローズアップしていくことで、その場のみんなが戦っているんだっていう一体感のようなものが感じ取れて非常によかった。
最後は予想してたとはいえ死ぬはずのファクターが漏れなく生きていたのは、さっき感じた決意とか覚悟とかが台無しな気も少しだけするけれど、ハッピーエンドでそれはそれで良いかという気になった。
ともかく、最初の数話はちょっと頭の弱い主人公を笑い飛ばして楽しむ作品かと思ってたけれども、早瀬がだんだんまともになってきてしばらくしたあたりから随分熱い作品になってビックリするけれど面白かった。