ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

エヴァって今から見ると数あるロボットアニメのひとつに過ぎないんだけれど、それでも各回完売してるのが個人的に腑に落ちない。
それはそれとして、見た感想としては意外と普通のエヴァだったなぁと。別にエヴァ厨じゃないのでΖのときと違って全くワクワクどきどきせずに見に行ったけれど、それを覆すほどの意外性は特に無かった。まぁ、元々クオリティ高いので十分面白かったけれど。
エヴァの魅力って多分ウジウジした人間関係と、使途との戦闘が半々くらいだと思うんだけれど、それを考えると今回戦う使途は最初のやつと八面体のやつの2体にとどめて、最初のやつはもう少し中盤手前くらいに出して、父と子の関係とか、学校の友人との関係とか、綾波との関係性の描写をもう少し増やしたほうが良かったんじゃないかなぁと思う。初めて見る人には人間関係が断片的過ぎる気がする。
ただ、メカ描写はすごかったので個人的にはいいけれど。冒頭の戦略自衛隊が使途に対して無駄弾を撃ちまくる場面は、ミサイルが飛びまくってそこらじゅうバカスカ爆発してて実に見応えがあった。エヴァみたいな超常兵器も格好いいけれど、通常兵器で頑張るシチュエーションも好きなのであの出し惜しみの無い物量が圧倒的な見ごたえをもたらしてくれた。
んで、その戦場になる第3新東京市がめちゃめちゃ格好良かった。使途に無駄弾を撃ちまくる砲塔とか、建物を地下に収容する際に連結部が外れる場面とか、電車まで地下に収納される様子とか、エヴァを強制回収する際の爆砕ボルトに点火する場面とか、ともかく細かい部分のギミックがひとつひとつ格好いい。
あと、ヤシマ作戦の場面は全部楽しかったなぁ。通常兵器が頑張るシチュエーションというか、"普通"の人達が頑張ってるシチュエーションが好きなので、変圧器が続々運び込まれたり、動かないエヴァを運んでる人がいたり、日本中の電力会社の人がフル発電してたりっていう、作業員の人達が頑張ってる準備段階の場面も結構好きだ。肝心のエヴァvs八面体型使途の場面も、敵が撃ってきて零号機がガードしてる場面が圧巻だったな。盾で弾いた火力が後ろの山を吹き飛ばしてしまって、あれ、エヴァの近くにいた作業員の人達はみんな死んじゃったんだろうね。
そういえば、ミサトさんがシンジに、ネルフで働いてる人達はみんな死ぬ覚悟をして命賭けてんだこの野郎!みたいなこと言う場面はちょっと感動した。
うん。個人的には今回の話は何かそういうプロジェクトX的な部分に感銘を受けたなぁ。