宮崎吾朗が語る「スタジオジブリ・レイアウト展」の魅力

久方ぶりの吾朗さん。レイアウトについて説明してます。それはそれとして、

――レイアウトを作成する上で求められるのは。

吾朗 空間に対する把握能力ですね。遠近法に従うにしても意図的に崩すにしても、原型が分かっていないと始まりません。

――ということは、建築や造園業を経験した吾朗さんには得意分野ですか?

吾朗 「ゲド戦記」では、1200カットのレイアウトをチェックして、自分でも400カットを描きましたが、正直言って手探りでした。当時はよく宮崎アニメの絵コンテを読んでいたのですが、すでに完璧な設計図になっているんです。その結果、自分にとってはイレギュラーなものがスタンダードになってしまい、レイアウトでどこまでやったらいいのか迷ってしまった。やがて、あがってきた絵が想像していたものと違うと感じ、レイアウトの重要性が分かってきました。

個人的にはゲドの陰鬱な雰囲気が好きだったけれど、こういうのを読むとやっぱり素人に監督をやらせちゃいけないと思う。