銀色の髪のアギト

劇場映画だけあって絵は綺麗でした。CGのメカもメタリックな艶があって格好いいと思う。あと、予告編にも流れてるけれど月からやってくる龍みたいな森は感動的。
役者はまぁこんなもんじゃないっすか。感情の起伏の表現が乏しいのはもったいないと感じるけれど、なんか最近の劇場アニメはそんなんばっかなので慣れた。ただ、実写畑の俳優を揃えたメンツの中に南央美がいるとすごく浮いてる。声質が全く違うので気持ち悪いとすら思った。そこそこ出番があるキャラなので役者で揃えれば良かったのに。
音楽はKOKIA良いよKOKIA
で、問題のストーリーなんですが、まずシーンとシーンの変わり方が唐突すぎる。1→2→3といくところを2を飛ばして1→3と変わる感じ。1カット間に挟むだけで大分受ける印象が変わるのに、3の場面に変わったとき一体何がどうなってそのシーンになってるのか前のシーンから推測しないといけなくて映画に入り込めない。ついでに場面転換に暗転を用いる箇所が多すぎ。
もう一点は、全体的にキャラの心情を酌み取れる描写が無さ過ぎる。幼なじみキャラがヒロインと張り合う理由は設定から理解するしかないし、トゥーラの行動と言動が深い考慮に裏打ちされたものとは到底思えず、全く感情移入できない。もっと致命的なのが、アギトが何故トゥーラに執着しているのか、トゥーラを助けに行こうという気になるのか、さっぱり分からない。アギトとトゥーラの間に心通わす会話があったとは到底思えないのに、何故彼がヒロインを助けに行くかというと、それはひとえに主人公とヒロインだからですねと理解するしかない。
総合的にいうと、必要最低限の描写しかなくてさりげない描写が足りなさすぎる。見ながらふっと頭をよぎったのが総集編みたいな印象を受けるという点でF91でした。GONZOはこれからオリジナルとフジとの共同とで毎年映画やるつもりらしいけれど、今後に期待。