鉄人28号(舞台版)

この間、夜中に帰ってきてテレビつけたらNHK BSで変わった舞台劇やってたんで引っかかってしばらく見ていたら、押井の鉄人28号だった。どうりで引っかかっちゃったわけだ。自分の嗅覚に久々に感心した。
お話の方は舞台なせいもあるだろうけれども、鉄人自身はほとんど関係なくて、鉄人=科学=正義と正太郎君を洗脳する敷島博士率いる大人と、正太郎君の都合は関係なく正太郎君をさらって”そうじゃないんだよ”と野犬駆除とか(ここでも犬)なかなか微妙な話題を通して説くテロリスト&立喰い師(何故鉄人に立喰い師!といちいち突っ込むのも面倒くさかったけれど突っ込まざるを得なかった)との2極対立の間でほとんど壊れて病んでしまった正太郎君がとても可哀想になる劇だった。
要するに要所要所いつもの押井だったんだけれども、押井が子供を主人公に持ってくると可哀想なことになるんだなぁ、ということが分かった。
パトレイバーとかは科学信奉に対する疑問とか突きつけていると思うけれども、あれって出てくるの基本みんな大人だからさ、大人の世界は単純じゃないってことで片づくんだけれども、その辺の議論に子供を巻き込むと可哀想だったわ。それまで信じていたことを突然否定されても困るよね子供。
押井は変なものを作ろうと思ってこの劇作ったらしけれども、どうしてこんな変なものばっかり作っているのに創作の仕事があるのかなぁ。富野と押井の差ってどこなんだろう?サンライズと石川の差なのかなぁ。
あと、劇伴が川井憲次だったんだけれども、ミュージカル風の曲が妙に耳に残って困る。有明フェリータの歌好きだなぁ。


ついうなずいてしまう感想だ。
asahi.com(朝日新聞社):「鉄人」は何を見ても何かを思い出す - 小原篤のアニマゲ丼 - 映画・音楽・芸能