富野に訊け50回記念スペシャル
富野が毎回質問のはがきに答える人生相談みたいな感じのアニメージュのコーナーのやつ。
78 名前:富野に訊け50回記念スペシャル(1)[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 03:28:48 ID:???
>>56
遅れてごめんな、仕事はあるので…
改行は不慣れから、どうぞ目を潰してください
最近テレビで見たのですが、中学、高校の先生にとって午後3時半から5時までが「魔の時間」と言われているそうです。 何故かと言うと、生徒が帰った後に外部から「おたくの生徒さんが万引きをした」といったたぐいの電話がよくかかってくる時間帯だからです。
それに最近の小学生、特に5年生以降の60%が学校に化粧道具を持って来たり、一部の小学生は親と一緒に整形すらやっているそうです。
小学校から中学校、高校の生活の中で、何故若い人たちは皆そんなにだらしなく生き急いでいるのでしょうか?
「自分の人生なのだから勝手にやらせて暮れ」と言う言い方を彼らはするでしょうが、その生き方はあなたを社会人不適格者にしていくだけです。
よく駅のホームで抱き合っているカップルがいたりしますが、周りは何も言いませんよね。
あれは決して彼らを祝福しているのではなく、無視することで「自分たちの仲間には入れないぞ」と言う態度を示しているのです。
そもそも自分勝手にするということは、自分の狭い価値規準でしか考えていないわけだからロクなものではないのです。
そういう基準で物事が考えられるということ自体がおかしいのです。
79 名前:富野に訊け50回記念スペシャル(2)[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 03:33:05 ID:???
この「富野に訊け!!」に質問してきてくれる人たちは、そんな人たちよりははるかにましだと思います。
相談をしなければならないという積極性と用心深さがありますし、自分の芯になるものをどこかで見つけたいと思っているからです。
むしろ心配なのは、質問してくれたり、このページを読んでくれている人たちが、「だけど世間はこういう風にはしゃいでいる打よね」って周りから言われたときにどうすればいいか、ということです。
そのときにはこう考えましょう。
10年後、20年後にいっぱしの人物になるには、今堪えなきゃいけないことに堪えといたほうがいい、それからいま教室や、向こう三軒両隣りであっている男の子、女の子よりもっといい人に出会えるかもしれないっていう風に思えばいいのです。
では、その堪える基準はどこにあるかと言うと、死ぬまで生きようとするためには、人間が身につけたもの――それは嫌な言葉だけど「道徳」というかたちで伝えられているものを意識すればいいのです。
「道徳」って何ですか?と聞かれれば「子供の時に修めるべきことで、それがないと、大人になったときに酷い目にあうよ。自分ひとりで生活していく際に損をしないように、最低限こういうことを身につけておきましょう」ということなのです。
道徳が大事だから守らなきゃ、ではなく、生き抜くために身に付けなければならないものなのです。
「今、化粧をすることやセックスをすることで10年後、20年後に得する訳ではないのだから、何で今から自分の選択肢を狭くしてしまうのか」と、
こういう簡単な言葉遣いができる大人が現在いないのは、大人自身が道徳を身に付けていないからだといえるでしょう。
80 名前:富野に訊け50回記念スペシャル(3)[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 03:37:51 ID:???
道徳のことをきちんと言う大人が周りにいないというのは、社会的にも人間的にも無残なことだと思います。
しかし世の中をよく見ればいい先輩や教師がいないわけではなくて、あなたが人を観察するという注意力が欠けていて、いつも自分のことしか考えてないから見つからないのです。
そんな尊敬できる人は知らないよ、という人は、是非青果市場や魚市場、大きい病院や老人ホームや近所のスーパーを覗いて、そこで働いている人たちを観察してみてください。そういう人たちは、本当に働いています。
それでも信用できないなら、ファーストフードに入って想像してみてください、最低6時間立ちっぱなしという仕事をあなたはできますか?
高校までの生活しか知らなかったら、まず立てないと思います。
「できません」って思うのは、あなたがいくじなしの人間だからです。そういう人には「死ね」って言わせてもらいます。
50回の連載の中で言い続けていますが、中高生のあなたに「個性」や「能力」なんてハナからなくて、あるのは義務教育の粋の中の学力でしかありません。それだけでは、世の中は暮らしていけません。
中卒でも暮らしていけている人がいるじゃないか、という反論もあるかと思われますが、
彼らは学力以外の生きるための能力を持っているのです。
それは例えば、ガングロにしないで、ふつうにしていて、人の話をきっちり聞いて、毎日午前3時に漁船に乗れる人です。
慣れれば誰でもできる、というものではありません。誠実にひとつのことをコツコツとこなしていく能力――胆力といったものがあるのです。
それさえあれば、中学で最低の成績をとっていても、生きていけると思います。
実業の社会で必要な知識を身体で覚えていける人は生きていけます。
尊敬できる大人、そんな風にコツコツと胆力を身につけた人が人生で勝つのです。
81 名前:富野に訊け50回記念スペシャル(4)[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 03:40:27 ID:???
この「富野に訊け」を読んでいる読者の皆さんには、ぜひ物を考える知力と胆力を身につけて、
その肉体を動かせるようにしてください。
そうすれば、アニメージュを読んでくれている10代から…譲歩して35歳くらいの読者までなら(笑)、まだこれからでも再生できると思っています。
82 名前:富野に訊け50回記念スペシャル(5)[sage] 投稿日:2007/08/11(土) 03:53:07 ID:???
これで全部です、未読の人も是非読んでください
あと、「富野に訊け」のイラストを描くやまむらはじめ氏は富野監督に対して、こう言いました
”言葉がきつい事もあるかもしれないけど、富野監督はいつも真剣だ。
自分の悩みに対する「年配の他人」の意見なんてなかなか聞けるもんじゃないよ
他人が自分のために使ってくれた時間と言葉は大事にしたほうがいいよ…と監督と読者の中間位の僕なんかは思うのでした。”
自分はこれをかなりじんときます
【斧谷稔】大富野教信者の会part51【井荻麟】
監督に相談したことはないけど、監督みたいな年の人が自分くらいの年の人にここまでやってくれるというのは、ただ感謝するほか無い